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09月27日-03号

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  1. 和歌山市議会 1994-09-27
    09月27日-03号


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    平成 6年  9月 定例会              平成6年        和歌山市議会9月定例会会議録 第3号            平成6年9月27日(火曜日)議事日程第3号平成6年9月27日(火)午前10時開議第1  会議録署名議員の指名第2  一般質問         ----------------------------会議に付した事件日程第1  会議録署名議員指名日程第2  一般質問         ----------------------------出席議員(41名)  1番   井口 弘君  2番   姫田高宏君  3番   武内まゆみ君  4番   角田秀樹君  5番   青山 稔君  6番   山下直也君  7番   新島 雄君  8番   佐伯誠章君  9番   浅井武彦君 10番   永井佑治君 11番   森田昌伸君 12番   寺井冨士君 13番   麻生英市君 14番   山田好雄君 15番   田上 武君 16番   藤井健太郎君 17番   森下佐知子君 18番   新川美知子君 19番   森本保司君 20番   浦 哲志君 22番   柳野純夫君 23番   平田 博君 24番   石谷保和君 25番   吉田光孝君 26番   小河畑喬夫君 28番   宮本廣次君 29番   東山照雄君 30番   大艸主馬君 31番   辻本昌純君 32番   南 徹治君 33番   滝口直一君 34番   堰本 功君 36番   奥田善晴君 37番   高垣 弼君 38番   武田典也君 40番   岩城 茂君 41番   浜野喜幸君 42番   山崎 昇君 43番   中谷 悟君 44番   九鬼嘉蔵君欠席議員(2名) 21番   波田一也君 39番   西殿香連君    --------------説明のため出席した者の職氏名 市長         旅田卓宗君 助役         得津 勇君 助役         吉田眞三君 収入役        橋口敏彦君 市長公室長      中村 保君 企画部長       阿部俊彌君 総務部長       栢木 孝君 財政部長       上野 宏君 経済労働部長     川口眞夫君 農林水産部長     野口法夫君 民生部長       高垣芳男君 環境事業部長     大浦宗吉君 保健衛生部長     和佐 慶君 都市計画部長     宮本 忍君 土木部長       井上隆勝君 下水道部長      榊 常次君 建築部長       加藤智弘君 教育委員会委員長   玉井千夫君 教育長        浅井周英君 教育総務部長     堅山喜弘君 教育文化部長     坂口全彦君 消防局長       中村清一郎君 水道局長       川端源一君 水道局業務部長    矢田彰吾君 水道局工務部長    臼井貞行君 選挙管理委員会委員長 貴志久治君 代表監査委員     伊藤松雄君 公平委員会委員    永田義男君    --------------出席事務局職員 事務局長       中森純一郎 事務局次長      南方 智 参事補        岡本清春 議事調査課長     松本 功 調査班長       山ノ井義雄 議事班長       池端 弘 主査         濱治 匠 主査         川口隆弘 主査         尾崎順一 主任         田畑和久 主任         石本典生 主事         中西 太    --------------  午前10時13分開議 ○議長(岩城茂君) ただいまから本日の会議を開きます。    -------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(岩城茂君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において   石谷保和君   柳野純夫君   大艸主馬君 以上3人の諸君を指名します。    -------------- △日程第2 一般質問 ○議長(岩城茂君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 順次、質問を許します。--17番。 〔17番森下佐知子君登壇〕(拍手) ◆17番(森下佐知子君) おはようございます。 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、ただいまより一般質問を行います。 まず、保育問題についてお伺いいたします。 1993年2月、社会保障制度審議会社会保障将来像委員会が第1次答申を出し、「21世紀に向けての社会保障の理念やあり方」をまとめました。それと同時に厚生省は、1992年末に提案した公立保育所保母の人件費 1,100億円を措置費から削減するという方針が、反対が多く見送ることと引きかえに保育問題検討委員会を設置、保育制度全体の見直しを行うという方針を打ち出しました。保育所運営や制度、費用負担などの問題について、十分な論議が尽くされたとはとても言えないまま、突然11月、厚生省は「直接、あるいは契約入所方式」導入を柱とした制度改革を提起しました。これに対し保育関係者が、これまでにも保育の公的保障の拡充を求め運動が全国で展開されてきましたが、今回もさまざまな異論や反対意見が出され、検討会自身、取りまとめが大幅におくれたようであります。 そういう中、ことし1月19日に出された報告書は、直接あるいは契約入所制度とともに、措置制度の改善、拡充の主張との両論を載せざるを得なかったのです。 それはなぜか。児童福祉法に基づく保育所措置制度は、保育に欠ける子供の権利、保育所を利用する権利を公的に保障する制度の枠組みを明確にうたっているものだからです。 厚生省は「直接入所方式」を導入する際、措置制度制度疲労を起こしているということを盛んに言っていました。しかし、この措置制度をめぐる基準や国からの通達の内容が、社会発展や実態を踏まえて改善されているのかどうか、これがまず第1に問われるべきではないでしょうか。全国的にも、保育料が高い、入所基準が厳しく手続が複雑、延長保育やゼロ歳児保育、産休明け保育が不十分である、育休明けの途中入所が困難など、保育所は入りにくいところになっているのも事実です。しかし、このような実態の原因が措置制度そのものにあるという考え方は、問題点のすりかえと言わなければなりません。 入所の基準は相変わらず厳しく、最低基準は25年余り何らの改善もされていないのが実情です。また、措置費の内容は初任給並みの低い人件費である一方、国基準の保育料は驚くほど高く、最高額は3歳未満児で約8万円から10万円にも上っています。このようなひどい基準に実態が合わず、大抵の自治体では、保母の加配や保育料の軽減、民間保育所への補助など市町村負担で何とかやりくりしていますが、既に限界に来ている自治体も少なくありません。利用しやすい保育所にしようと思えば、こうした国の基準や補助金の内容を、実態を踏まえて改善することこそ、今一番求められているのではないでしょうか。 以上のことからお尋ねをいたします。 保育問題検討会が打ち出した直接入所導入案をもとに、現在も協議が進められています。自治体の超過負担を減らしていくためにも、児童福祉法に基づく保育所措置制度を堅持し、拡充するよう国に対し強く働きかけるべきだと思いますが、いかがでしょうか。関係部長にお尋ねをいたします。 また、この直接入所方式に対する市長のお考えをお聞かせください。 次に、乳児保育についてお伺いします。 女性の社会進出に伴い、保育に対する要求は年々多様化してきています。中でも育児休暇が制度化され、この制度を積極的に利用する女性もふえています。どの職種にも育児休暇制度が実質的に適用されることが望まれますが、まだまだ産休明けからやむなく、あるいはみずから職場へ復帰する例もたくさんあります。 こういう声にこたえて、本市でも乳児の受け入れ枠を拡充するなど、一定の成果が見られました。しかし、今後ゼロ歳や育休明けからの入所を希望する声はもっとふえるでしょうし、現在も待機児童の中で最も多いのがゼロ、1歳であることを見ても、さらに拡大していく必要があると考えます。 以上のことから、関係部長にお尋ねをいたします。 乳児保育早期充実・拡大のための人員配置計画、乳児枠の設置計画、また、途中入所への対応をお聞かせください。 次に、東部の町づくりについてお伺いいたします。 町づくりにかかわっては、いろいろと視点がありますが、今回は東部地区区画整理についてお伺いをいたします。 本市では、東部地区を和歌山市における「21世紀の副都心」と位置づけ、昭和42年より東和歌山第一地区を、昭和49年には第二地区を、ともに区画整理事業により開発を進めてきました。さらに、東部地区区画整理事業を進めるための調査が昭和60年より開始され、来月早々には区域決定が予定されていると聞いております。 さて、区画整理町づくりを進めるための方法の一つであり、事業の進め方によっては有効な方法と言えます。それは、とりもなおさずそこに住む地域住民の納得と合意を前提とした住みよい町づくりの手段として、あくまでも民主的に行われることを指しています。しかし、我が国では高度成長以来、道路用地の安易な取得、あるいは民間開発の誘導策として急激に区画整理事業が浮上してまいりました。残念ながらそういう中で、行政や大土地所有者、開発会社の思惑が何よりも優先されたという例も少なくありません。 区画整理それ自体の是非はともかくとして、東部地区区画整理が今まさに始まろうとしている中、そこに住んでいる方々の生活に心を寄せていくことが何より大切であると考えます。区域決定を前に説明会も開かれたようではありますが、土地区画整理法は、数ある法律の中でも殊に複雑でわかりにくい中身と聞いています。住民との合意を得、事業をこの先円滑に進めるためには今のこの時期が最も大切で、時間をかけるべきときではないでしょうか。 以上のことから何点かお尋ねをいたします。 区域決定法的手続をする前に、地元の地権者、住民に対する説明を丁寧に行い、事業の中身を知らせる必要があると思いますが、そのための具体策をどのようにお考えでしょうか。関係部長にお尋ねをいたします。 これから事業を進めるに当たって、今が最も大切な時期だと考えます。しかし、住民や地権者の方々と直接的あるいは専門的にかかわる担当者は1人と聞いています。これでは円滑な事業の推進はとてもできないのではないでしょうか。体制の増員についてのお考えをお聞かせください。また、専門的な研修を十分受けた上で事業に臨めているのか、担当者の担当期間も考慮に入れているかどうかも含めお答えください。 東部地域に位置する市駅小倉線は、和歌山市の主要な幹線道路として早期完成が待たれています。道路をつける方法としての区画整理事業は、この場合なじまないと思いますが、いかがでしょうか。道路を優先してつける方法はないのか、お考えをお聞かせください。 以上をお聞かせいただきまして、第1問を終わります。(拍手) ○議長(岩城茂君) 旅田市長。 〔市長旅田卓宗君登壇〕 ◎市長(旅田卓宗君) 17番森下議員の御質問にお答えいたします。 保育問題でございますが、直接入所の問題についてお答え申し上げたいと思います。 今回、保育問題検討会から提出された報告書につきましては、現行の保育制度措置制度の見直しに対する検討会としての意見をまとめたものでございます。 措置制度の改善、見直しについての考え方の一つとして、現行の措置制度に加えて、市町村を介さないで保護者が希望する保育所との契約により入所できる、いわゆる直接入所制度を導入すべきであるということも提言されております。しかし、措置により入所する児童と契約により入所する児童との間に差別感が生じるおそれはないか、また、保育所の行き過ぎた競争により保育の質の低下につながるおそれはないかといった問題点もあり、さらに十分検討を行う必要があるとの意見も出たようでございます。 本市といたしましては、直接入所措置制度の導入等を行うことにより、地方負担の増大あるいは保育の質の低下を来すおそれがないかどうか等を十分見きわめながら、今後の国の対応を見守ってまいりたいと考えております。 次に、東部地区区画整理事業の問題でございますが、その体制についてどう考えているかという御指摘でございます。 本事業の積極的な推進を図るために、その組織体制の充実に一層努めてまいりたいと、このように考えておりますので、御理解いただきたいと思います。 次に、市駅小倉線は区画整理事業以外の方法で考えられないかという御指摘でございますが、その点につきましては、区画整理事業で施行することにより、都市計画道路・市駅小倉線を含めた周辺の整備区域の道路、公園等、地区全域の面的に総合整備が図られ、また、上下水道の整備はもとより、東部地域の総合的な都市基盤整備ができると、そのように考えておりますので、御理解賜りたいと思います。 あとは担当部局がお答えいたします。 ○議長(岩城茂君) 高垣民生部長。 〔民生部長高垣芳男君登壇〕 ◎民生部長高垣芳男君) 17番森下議員の御質問にお答えいたします。 児童福祉法に基づく保育措置制度を堅持し、拡充するよう国に働きかけられたいとの問題でございますが、昨年2月に保育問題検討会において、保育ニーズ多様化等、社会の変化に対応した保育制度のあり方について検討しておりましたが、本年1月に保育問題検討会報告書が出されました。この検討会では、利用しやすい保育所の確立と、児童が健やかに生まれ育つ環境づくりの観点から、保育制度措置制度のあり方について検討を加える中で、主に措置制度のあり方を中心に論議がなされたようでございます。 報告書によりますと、現行の措置制度につきましては、利用しやすい保育所を目指し、制度の改善見直しを行う必要がある。入所手続の簡素化を図る必要がある。また、保育についての不公平感の解消を図るべきである、等の問題点が指摘されてございます。 一方、直接入所制度の導入案につきましては、措置により入所する児童と契約による児童との間に差別感が生じるとともに、保育所間の行き過ぎた競争により保育の低下につながるおそれはないかとの問題点も指摘されてございます。 本市といたしましては、直接入所制度の導入につきましては、このような問題点のほか、地方自治体への負担の増大が危惧されるところでございます。そういった考え方のもとに、今後、都市保育行政主管者協議会等、あらゆる機会を通じまして、現行の措置制度を維持、拡充するよう国に要望してまいりたいと考えてございます。 次に、乳児保育等について、乳児保育の充実のため人員配置計画設置計画についてでございますが、近年、女性の社会進出の増加や就労形態の多様化等に伴い保育ニーズが多様化しております。本市といたしましても、これらのニーズに対応できるよう、保育内容の充実と保育体制の強化に努めているところでございます。 保育内容につきましては、乳児保育障害児保育、長時間保育、緊急一時的保育等といった特別保育事業の拡充に努めてございます。特に乳児保育につきましては、平成6年度に公立保育所5カ所で3歳未満児の枠を拡大するとともに、ゼロ歳児保育につきましても、公・私立保育所で前年度の37園から44園に拡充してございます。また、産休明け保育につきましても、毎年拡大しているところでございます。 今後におきましても、さらに子育てと就労の両立を支援するため、乳児保育受け入れ枠の拡大について、学識経験者や公・私立保育所の関係者で構成する和歌山市保育所運営懇談会十分検討を加えながら、需要度の高い保育所から充実を図ってまいりたいと考えてございます。 また、乳児保育の充実に伴う職員の配置や施設の整備につきましても、今後、計画的に整備、充実を図ってまいりたいと考えてございます。 なお、途中入所の受け入れにつきましては、緊急を要する場合は緊急一時的保育で受け入れてございますが、乳児で特定の保育所を指定された場合は、定員の都合で直ちに入所措置ができない場合もございます。したがいまして、今後におきましては途中受け入れにつきましても十分対応することができるよう、乳児の定員枠の見直しを行うなど、拡充に努めてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(岩城茂君) 宮本都市計画部長。 〔都市計画部長宮本忍君登壇〕 ◎都市計画部長(宮本忍君) 17番森下議員の御質問にお答えします。 区画整理事業を実施するに当たりまして、地元地権者、住民に事業の内容等を明確に周知をとのことでございますが、本事業実施に当たりまして、大方の手順といたしまして、まずアンケート調査、これは62年に調査しております。そして地元説明会。その内容といたしましては、区画整理の概要の説明。この説明会は平成3年と本年において行っております。それから、再度のアンケート調査を63年に行ってます。次に都市計画決定、本年度において施行区域計画決定を打ちたいと思っております。次に事業計画、換地設計などの法的手続等の説明を行うこととしております。 今後、御指摘の件につきましては、事業実施に当たりまして、住民の方々の御協力、御理解は不可欠でございます。今後の課題といたしまして、説明会の内容等を十分研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岩城茂君) 17番。 〔17番森下佐知子君登壇〕(拍手) ◆17番(森下佐知子君) 御答弁をいただきましたので、第2問をさせていただきます。もしかしたら順不同になるかもわかりませんが、よろしくお願いいたします。 まず、保育の問題ですが、国の保育問題検討会で「直接入所方式」ということが打ち出されたわけですけれども、これに対しての考え方は、その市町村に対しての費用負担の増大がまず考えられるということで、市長の考え方あるいは民生部長の考え方は、そんなにずれはなかったというふうに思います。 この国の考え方が提示されたときに、私は非常に驚きまして、率直に申し上げて、「国はここまで来たか」というふうに思いました。というのは、子育てというのは本来無償でなければならないと私は考えています。それにもかかわらず、競争原理をこの保育所の中へ持ち込むという考え方が国のところで明らかにされた。このことに私は本当に驚きましたし、背筋が寒くなる思いがいたしました。 今、子育てをめぐる状況がどのようになっているのかというふうに申しますと、新聞紙上などで、私だけではなくて関係部局の方々、また先輩・同僚議員の方々もいろいろと目にして心を痛めていらっしゃることもあろうかと思います。中でも私が非常に驚きましたのは、超早期教育ということでした。もう早期教育ではなくて、その上に「超」がつくそうで、おなかの中に赤ちゃんが宿ったときからもう漢字カードを見せるとか、モーツァルトの曲を聞かせるとか、そういうことをやって、将来いい高校へ入れて大学までストレートに進ませるという、そういうことが、もう子供がおなかに宿ったときからされていると、そういう方向まで来ています。これにまさに拍車をかけるようなこういう国のやり方は、私は絶対に許すことはできないと思うわけです。(「そうや」と呼ぶ者あり) そういう中で、自治体がイニシアチブをとって国にぜひともこれは強く働きかけてもらって、措置制度の堅持をお願いしたいというふうに思います。 措置制度は、私が申し上げるまでもなく、先ほど答弁の中にもありましたが、直接入所できる子供たちは、やはり少しでもいい保育所へ行こうとする。そうすれば保育所の中にも当然競争が起こるでしょうし、その中で、金銭的な部分でそのよしあしがはかられるということも当然出てくるであろうと思います。そういうことをそもそも行わないために、子供たち措置制度を通過する中で、どの子供たちも平等に保育所へ措置されるというのがこの措置制度の中身だったはずです。そういう意味でも、この措置制度を堅持していくということを強く働きかけていただきたい、強くお願いをしたいと思います。 それから、乳児保育に関してですけれども、いろいろと積極的な御答弁もいただきました。今後も定員枠の見直しを考えながら、ゼロ歳児も入れていきたいというふうにお答えをいただきました。 今、非常に、育休制度の導入に伴ってゼロ歳児あるいは1歳児を、その育休が明けた時点で保育所に入れたいと願っていらっしゃる人たちがふえているというふうに聞いています。そういう中で、私もいろいろと相談を受けるわけなんですが、子供は、前にも質問の中で申し上げたことがあるかもわかりませんが、4月の入所のときに必ずしも子供が育休明けているわけではないですし、その時点で1歳に満ちているわけでもないと。そういう点からいくと、やはり1年を通じていつの時期でも母親が、あるいはお父さんが仕事に復帰できるという、そういう状態をいつでも利用できるという状態をつくっていく必要があろうかと思います。 そういう中で、公立や民間の中でその枠が大きく広がっていくことが一番望まれることなんですけれども、最近ちょっとほかの自治体で目にした制度なんですが、京都で行われている制度です。これは昼間里親制度といいまして--チュウカンというのは昼間と書くんですが--里親制度というこのネーミングがふさわしいのかどうかというのはちょっと疑問があるんですが、個人のお宅を開放して、そこで少人数の子供たちを預かると。その個人のお宅も、その保育に当たられる人は一定市なり市町村なりで資格要件をつくって、その保育に当たっていくと。そこにちゃんと措置費として条例で決めた額をおろしていくと、こういう制度が京都なんかでは行われているわけです。 京都市はこの中で、新しく里親を募る中で、今まで無認可でそういう保育に携わってこられた方々も、この里親制度の中へ同じように委託をしていくという、こういうふうに統合をしたわけです。ですから、京都市の中ではいわゆる共同保育所というんですか、そういうのがないわけですね。だからこの昼間里親制度、市の委託制度の中で十分対応ができている、こういうふうに聞きました。これも私は、まあ苦肉の策には違いないんですけれども、その途中入所を受け入れていくという点で一つの方法ではないかなというふうに思います。 特に、ゼロ歳児の場合は特別に定員を設けなければならないと思います。ゼロ歳児にも集団がありまして、集団のかかわりの中で子供たちは日々育っていくわけですけれども、その集団がやっぱり小さければ小さいほど集団も小さい方がいいという考え方もあります。そういう中で、個人のお宅を開放して最低5人から8人、多くても8人という、そういう小規模なところで市が委託をするという、こういうこともひとつ研究の対象に入れていただけないかなというふうに思います。 それで、乳児保育に関しては以上、要望をしておきたいと思います。 次に、区画整理の問題です。 まず、説明会の持ち方なんですけれども、ちょっと資料をいただきました。説明会でどんな資料を当局が配布をされたのか、それからアンケートですけれども、どういうアンケートをとられたのかということで見せていただきました。 往々にして区画整理事業というのは、今まででも全国の中で、各地でやられてきているわけですけれども、その中でやっぱり長い年数がかかる。それは、やはり減歩という形で土地をある程度無償提供しなければならない。それが、個人の方たちは多いと思う人もあるだろうし少ないと思う人もあるだろうし、そういう利害関係の中で、やっぱり事業がなかなか進みにくいという性格を、やはり率直に言って持たざるを得ない、そういう事業であると私は考えています。ですから、事業に入る前に、説明会でどこまではっきりしたことを住民の人々に知らせるのかということが、これは決定的ではないかというふうに考えています。 ところが、この資料を見せていただきますと、確かにその区画整理の概要というのはわかります。大体どういう形で区画整理が行われるのか、対象は大体どの地域なのか、どこに道路が通って、どこに公園ができる、公共施設はここに建つ、そういう大まかなことはわかります。 しかし、私が聞いているところによりますと、説明会を聞いていなかった方々、あるいは聞いている人たちの中でも、例えばこの東部地域区画整理の中には市駅小倉線あるいは松島本渡線という幹線道路が計画をされているわけです。その幹線道路に隣接もしくは面するところしか関係ないと思っている人たちが非常に多いわけなんですね。だけど区画整理という事業の中身は、もう少なく見積もっても80%の人たちが家屋の移転をしなければならない、それに減歩もかけられる。そういうことの中で、例えば減歩率が何%であるとか、それから家が今度どこへ移るとか、そういう細かいことは確かに事業を決定しなければわからないということもあろうかと思います。しかし、実際に減歩をされるという中身、それから少なく見積もっても80%の家屋が移転をする、大体そこの地域に減歩はされても住んでいられるかどうかということとは別問題なんですね。ところが、そこの地域に住んでいらっしゃる住民の方々は、その幹線道路に面するところ以外は、僕は関係ないと、うちはだから関係ないと思っていらっしゃる方が非常に多いということがわかったんです。 それで、今も言われておりましたが、来月早々にも区域決定を行う、都市計画決定を行っていく、遅くても今年度中にというふうにおっしゃっておられましたが、この法的な手続、計画決定をおくらせてでも、事業は住民との合意の上で始めなければならないというふうに考えます。こういう点で、説明会を事業を始める以前にもっと詳しく持つ必要があると私は考えておりますので、その点で、もう一歩踏み込んだ答弁をお願いをいたします。 それから、説明会の内容は今も申し上げましたとおり、概要についてということではなくて、住民が本当に知りたいこと、例えば住居が移ることであるとか、平均減歩率が何%ぐらいあるのか、そういうことをきちっと知らせていき、しかも住民から要求があれば速やかに説明会を開くという、そういう体制を常に持っていただきたいなあというふうに思います。 それと、アンケート調査で思ったんですが、このアンケート調査で75%の賛同を得られたと、そういうことの中で、この事業を決定していくんだということを前の質問でもお答えをいただきました。今回もそういうことで進められるようでありますけれども、この中で私が非常に疑問に思ったのは「まちづくりの内容についてお尋ねをします」という点です。 この中で、例えば「調査区域を和歌山市の副都心としてふさわしく整備することについてどうお考えですか」、あるいは「大門川を緑と水の親しめる空間として整備することについてどうお考えですか」、あるいは「排水をよくするため、排水路を整備したり調整池等を設置することについてどうお考えですか」と。これはもう「はい」と答えるしかない質問だと私は思うんですね。排水路を整備してほしいというのはみんなの要求です。東部地域はまだまだ下水道が整ってはいません。そういう中で下水道を整えてほしいというのは、何も区画整理に頼らなくても皆さんが願っていらっしゃることだと私は考えています。大門川にしても、緑や水の親しめる空間として整備をしてほしいのは、それはみんなの願いだろうと私は思います。だれも今のままで、例えば危ないという状態を放置していいかといったら、決してそんなことはないと思います。 こういうアンケートの中身で75%の賛同が得られたというふうに判断していいものかどうかという点で、私は非常に疑問があります。こういうアンケートをとって75%の賛同を得られたけれども、しかし、区画整理が本当にこの地域になじむのか、あるいはその住民の人たちが本当にこの地域を区画整理をもって面的な整備で、自分たちの土地を減歩してでも、多少減歩してでも、あるいは移転をしてでも区画整理でやってほしいということを最終的に決めるのは、私はそこに住んでいらっしゃる住民の方々であろうと思うんですね。ただ、市はこれを計画として一応これが一番よりいい方法だろうということで計画を発表されたとは思います。しかし、今の時点でなかなかその合意を得られるというところまでとても行っているとは判断私はできないと思いますので、そういう点で、より懇切丁寧な説明会を事業決定の前に持っていただけるということを、もう一度繰り返してお願いをしたいと思います。 それから、職員配置の問題ですが、組織体制の充実ということでお答えをいただきました。例えばこの区画整理事業というのは、皆さんも御存じのとおり、一番短い期間でも10年は最低かかると言われています。長いところに至っては、もう30年、もう今の世代に話をしても無理やから、もうここにいてる孫に話してやってくれと、そういうことを言われる住民の方々もおられるぐらい、それぐらい長い期間がかかるのが区画整理事業だというふうに聞いています。そういう中で、やはり直接住民の方々と話をしていく、そういう職員の方々をやっぱりふやしていかなければならないし、それもころころと担当期間が短くて変わってしまうのでは、前の話をしている住民とのコンタクトがなかなかとりにくい状況が起きるだろうと思います。そういう点で、研修体制の充実も強めていただきたいですし、それから、できるだけ同じ職員をそこに専門的に配置をして、専門的に話をできるだけ聞くと。 で、区画整理は、先ほども申しましたけれども、いろいろな利害関係が伴うということも事実です。そういう中で、やはり感情の行き交う、そういうことを一つ一つ、やっぱり職員の方々が丁寧に聞いていく必要がある、そういう事業だろうと思います。そういう中で、できるだけ専門的な配置の仕方、それから、一人ではとても進められないというふうに1問でも言いましたけれども、ぜひとも早急に組織体制の充実を図っていただきたいなというふうに思います。 それと、市駅小倉線に関してです。 区画整理の中で、まあ面的な整備を行っていく中でこの幹線道路を通すんだということを御答弁いただきましたけれども、先ほども申しましたが、区画整理はスムーズに進んでも10年はかかります。もしいろいろと難航をいたしますと30年も40年もかかる。そうすると、この東西を抜ける和歌山市の中でも主要な幹線道路と言われているこの市駅小倉線、これを本当に区画整理で進めていく方法が正しいのかどうか。住民の人たちは、交通渋滞の緩和であるとか、そういう部分を早く解消するために、まずこの市駅小倉線の開通を早期に願っているというふうにいろいろ御意見を伺っているところであります。 和歌山市にとってもこの市駅小倉線は非常に大切な道路であることからも、面的整備という点では、住民の要求があれば、その片側ずつからでも私はやっていけると思うんですね。事実、跨線橋の部分とかそれ以前の部分は買収方式でやったという部分もあるわけですから、この道路を区域除外してでも買収方式に切りかえて、区画整理方式から外す。それで区画整理は、この道路とは別に行っていくということも十分考えられることだと思います。こういう点で、もう少し研究していただけないかどうか御答弁をいただきたいと思います。 以上お聞きいたしまして、2問を終わります。(拍手) ○議長(岩城茂君) 宮本都市計画部長。 〔都市計画部長宮本忍君登壇〕 ◎都市計画部長(宮本忍君) 17番森下議員の再質問にお答えします。 まず最初に、事業に入る前に十分な説明会をせよということなんですけども、この説明会につきましては、平成の3年に7回、それから平成6年7回、合計14回やっておるわけなんですけども、この説明の中でもいろいろと、その換地、減歩の問題、また換地するにもですね、玉突きによる換地をやるという説明も行っておるんですけども、その地権者の方々、また関係者の方々にですね、十分御理解得られなかったということは非常にまあ反省しております。 それからですね、この説明については、今後事業決定を打つ前にですね、再度きめ細かい説明会を行っていきたいと。それから、換地の設計をやったときに、個々にですね、説明会も行っていきたいと、そう思っております。 それから、市駅小倉線について、区画整理事業以外の、例えば街路事業で行ったらどうかということでございますけれども、これにつきましては、あくまでも、先ほど市長が御答弁申し上げましたとおり、面的な整備、町づくりについては、これはまあ区画整理は一番いい方法でございます。街路事業でやると、要するに線的な整備、線的な整備だけになってしまうということもございます。それで、まあうちも、あくまでもこの区画整理事業でやるということは、この区画整理事業の中で、まずこの市駅小倉線上を、地権者方と十分話し合いながらまず先にその本線を、幹線道路をつけていきたいと、そう思っておりますので、御理解賜りたいと思います。 以上でございます。 ○議長(岩城茂君) しばらく休憩します。  午前10時51分休憩 --------------  午後1時13分再開 ○副議長(高垣弼君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の一般質問を継続し、浦哲志君の質問を許します。--20番。 〔20番浦哲志君登壇〕(拍手) ◆20番(浦哲志君) 議長のお許しをいただきましたので、質問させていただきます。 先般、委員会視察のため、開港間もない関西国際空港を利用いたしました。和歌山市民の待望久しかった関空は、期待どおりの施設、設備で、まさに世界に通ずる玄関口として私たちに大きな夢を与えてくれます。しかし、同時に、これまで巷間よく言われてきた扇風機の裏側になりはしないか、いや、なってはいないか、私たち市政に携わる者の大きな責任と役割を感じました。 そういった意味からも、私の質問は、市長就任以来、常に掲げてこられた「国際文化都市和歌山」という市長の一つの方向づけについて、総論的にではありますがお伺いすると同時に、この大切なときに、あえて和歌山市の長から和歌山県の長へ進もうとされている市長の姿勢についてお伺いしたいと思います。 「すべての政治は地方政治である」と言われて久しく、地方分権というテーマがさまざまな論議を呼んできました。他方「すべての政治は国際政治である」という、一種相反するような言葉も急速に台頭してくるようになりました。日本国憲法の前文にも、「国際的に名誉ある地位を占めたいと思う」とあります。大きな舞台では、湾岸戦争を契機とした国連の常任理事国入りがかんかんがくがくと論議され、また、各地方都市も世界のそれぞれの都市と姉妹都市友好関係を結ぶなど、今や「国際化」という言葉は常識のようになっております。 世界へ目を移しても、主権や国境の影が薄くなり、例えば東欧の国々の革命の連続は、国際化、特に情報の国際化がその因であったと思います。これは、政治の生命は情報を軸にした国民の政府に対する信頼にあり、政治が情報世界での足場を失ったとき、政治そのものが崩壊するという実例でありました。言いかえると、情報が中に閉じ込められず広範囲で見られている、知られているというのは大きな影響を与えるということです。 話が飛躍しましたが、そういえば、市長は新宮や串本に行っても「あれ、和歌山の市長さんではないですか」などと、いろいろと親切にしてもらうそうです。なるほど、いい面、悪い面含めて情報の話題になり、その情報が拡大することをプラスに持っていく能力、手腕は、まさに現代の政治家、広く言えば国際人なのかもしれません。私たちも視察に行く先々で「いろいろと大変ですね」と、褒めているのか同情されているのか、それとも……。まあいずれにしても、少なくとも気の弱い私は肩身の狭い思いをしました。(発言する者あり) 話を戻します。 国際化ということは、いつの時代であれ確かに一種の同一化、平等化という要素が含まれてはおりますが、それだけではなく、文化と伝統、習慣、いろいろな違いに基づく緊張関係の上で共存の余地を保つという努力も求められるものです。いわゆる相互理解という条件があって初めて国際化という用語が使用されるわけで、例えば、国際空港が近くに来たからといって国際都市になれるわけでもありません。また、姉妹都市縁組をして海外に行き来することが国際化でもありません。海外に行ったことのない人でも、いわゆる国際人としてなり得る人も多いと思います。 国際化の基本はアイデンティティーであろうと思います。君はだれだ、君たちの町はどうだ、君たちの国はどうだと聞かれたときに、私はこうだ、私の町は、私たちの国はこうだと主張でき、同様に相手のことも理解できる。つまり文化の相互理解から始まるのではないかと思います。 先日、ある本で、三枝成彰というアカデミー賞を初め数々の受賞をされている音楽家の方の文の中で、「音楽の世界でも日本人はオリジナリティーがない。日本人ならではの演奏ができない」と言われておりました。つまり、日本では西洋に迎合することを本物志向とし、個性もなければ本物にもなれないという状況を生み出しているというのです。そして「今はこうした間違いに気づき、もっと日本人としてのアイデンティティーにこだわろうとする人がふえてこそ、本物、大家が生まれる」と結んでおられます。 本議会でも以前、先輩議員から和歌山市はオンリーワンを目指すべきではないか、和歌山のオリジナリティーの確立が必要ではないかとの御意見がありましたが、まさにそのとおりであろうと思います。 また、時折ラジオから流れてくる子供の素朴な問い「和歌山って何だろう。私たちの和歌山を教えて」というテーマは、我々政治に携わる者にとって真剣に考えていかなければならない基本的なことだと思います。 今、市内のあちこちで、「チェンジ」「ジャンプ」、つまり、変えよう、飛躍しよう、という用語をよく見かけますが、市長はこの和歌山をどのように変え、どのような方向へジャンプさせようとしているのでしょうか。国際文化都市和歌山を常に標榜してこられた市長は、私は、先ほど来申してきました国際的にも通用する文化、和歌山のオリジナリティー、オンリーワン的な魅力を育てなければならないと思いますし、その環境づくりも当然必要です。つまり、文化と文明との調和を図ることが基本的に必要だと思います。 そこで、この国際文化都市論、市長の描かれる国際とは何か、どのようなことか、和歌山の文化とは何か、文化というものに対しどのような意識を持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。 そして、関空開港が和歌山を世界に売り出す絶好のインパクトとしたいということを常々言われておりました。私は、関空ができたからといっても、国内外からの人々が文化や歴史を求めて京都、奈良へ、近代的なレジャー、アメニティーを求めて神戸、大阪へというのであれば、まさにせっかくのチャンスを手をこまねくだけの、取り残された存在になると思います。現に、視察の帰り、空港からのバスはラッシュ時のようでありましたが、南北の分岐点では他の車はすべて大阪・神戸方面、和歌山方面のバスは私たち1台だけという、寂しい気がしました。 しかし、何はともあれ、昨日来この本会議場でも先輩・同僚議員が言われておりますように、リゾート博は大盛会のうちに終わりました。その分析はこれからいろんな角度でされることと思いますが、この博覧会は、リゾート博協会みずからが言っているように、あくまできっかけを提供するわけで、この72日間の催しだけで満足しては意味は半減するものであります。お祭り終わって後はしょんぼりなどと言われないためにも、ポスト・リゾート博、しかも関空効果を最大限に利用した施策が必要となるのは論をまたないことだと思います。 折しも9月30日付のある週刊誌では「関空、好敵手物語」と題して、関空挟んでの海洋都市、神戸と和歌山のライバル観光行政と特集を打っていました。神戸では、ウォーターフロントを中心とした都市型の観光スポットとして、国内線の拠点とする2003年開港の神戸空港、そして98年の明石海峡大橋の開通で大阪湾ベイエリアの交通体系へのリーダーシップなど、ビッグプロジェクトの準備が着々と進められている。和歌山は、あくまでポスト・リゾート博の跡地、いわゆる海上リゾート都市としてのPR、自然志向の観光云々と載せられておりました。 リゾート博後のマリーナシティは、民活によりハイクラスのリゾートゾーン構想が発表されているようですが、市としての考え、対応等についてどのように考えておられるのか。また、改めてリゾートという意義をどのようにとらまえておられるのか、お伺いをしたいと思います。 それから、どちらにも関連することと思いますが、今年度から紀淡連絡道路に関する調査費用を設けていただきましたが、この第二国土軸構想の中の紀淡海峡ルートに対する市長のビジョンも承りたいと思います。 これは、御承知のとおり、第一次国土軸に比べ各都市にいかに魅力を持たせるか、一つ一つの町のアイデンティティー、特色が世界に通ずる普遍性を持つような地域文化の醸成が目指されております。ですから、単に和歌山と淡路に道をつくるという問題ではなく、もっと広い意味での新しい生活文化の創造が求められております。この新しい交通軸が、伊勢湾、紀淡海峡、豊予海峡等の海峡横断部の連携を深めることによって、新たな海峡交流圏とでも言うのでしょうか、新しい文化の創造が求められております。 この構想は、質の高い交通の実現が必要とされているわけですが、これを機会に河西地区全体から市内へ通ずる道路建設の構想、つまり青岸橋を利用して加太、さらに言えば空港まで通ずる湾岸道路のお考えはないか。先ほど申しました紀淡連絡道路のビジョンとあわせましてお伺いしたいと思います。 次に、別の角度から市長の政治姿勢ということでお伺いします。 個人的なことで大変恐縮ですが、私は、大学入学最初の授業で「法と道徳について書け」というテーマを与えられ、率直な気持ちで、法律万能主義の風潮を批判しつつ、倫理・道徳に重点を置いた、つまり仁・義・礼・智・信という五徳を力説し、論文として提出しました。1週間後のそのクラスで「法学部に入りながら法を軽視する者がいる」ということで私だけが0点で、何か複雑な気持ちになったことをいまだに鮮明に覚えています。今振り返ってみると、教授の言うことは当然のことですが、古代から論議されている性善説、性悪説は私たち人間世界での永遠のテーマであろうと私は思います。 そういった経験からか、また武道を通じてか、または出身地の佐賀の葉隠武士道という影響からか、封建制の時代に確立されたものとはいえ、武士道という言葉は私の一つの指針としております。先輩・同僚議員には一笑に付されるかもしれませんが、私自身は日本文化の一つのアイデンティティーだとも思っております。 テレビでは現在も水戸黄門、大岡越前、遠山の金さんなど、いわゆる正義の道理を説く内容は単純ではありながらも高い支持を受けているというのは、それが日本人の琴線に触れる大きな文化であろうとも思っています。 その武士道の基本原理は、義--正義の義です、勇--勇気の勇、仁--仁義の仁、礼・誠・忠義といったものですが、孔子も論語の中で「義を見てせざるは勇なきなり」と述べ、勇気というものが義によって発動されるものでなければ徳行の中に数えられる価値ではないことを古くから喝破しています。これは、勇気とは正しいことをすることであるということになりますが、あらゆる種類の危険を冒し、生命を賭して死地に臨むこと、これはしばしば勇猛と同一視され、武器及び権力を持つことを職業とする者にあっては、そのような向こう見ずの行為が不当に称賛されています。西洋でも、かのシェークスピアはそれを「勇猛の私生児」と名づけているそうです。要は、古今東西を問わず「大義の勇」と「匹夫の勇」、この差は大きな隔たりがあります。 大義の勇--私は、今回の市長の知事選出馬、あのような状況の中で生まれた突然の声明は、市長にとっては広く和歌山市、和歌山市民のため、つまり大義の行動であろうと思います。いや、そうでなければならないはずです。「今、起ち上がらなければ」とかチェンジという表現で「今」を否定し、新しいものを求めて立ち上がるという呼びかけの底には、何らかの市長自身のパッション、やむにやまれぬ、それこそ義を見てせざるは勇なきなりとの動機があろうと思います。 あなたは和歌山市の長です。和歌山市民を含め和歌山市全体の発展、幸せのために選ばれたリーダーです。あなたは美しい和歌山実現のため、市民にも広くモラルを説いてこられた。ポイ捨て禁止、工場排水の色規制、放置自動車等の問題においても罰則規定まで設けてこられたわけですが、これもあなたなりの大義のためになせる行為であったろうと思います。 市民に義務を説かれたように、あなた自身も市長としての義務を果たしていかなければなりませんが、果たして和歌山市長としての義務は果たしてこられたのでしょうか。また、広く市民、いや県民にも、立ち上がろうと呼びかけておられるわけですが、その蜂起を促す大義とは何でありましょうか。 また、首長が出馬の有無の声明をするのは議会であるべきと私は思いますが、まだ正式な形での声明は、どれであったのか私にはわかりません。6月の市長選の出陣式の際の声明で、支持者の前で訴えられたわけですが、あなたの支持者だけが市民ではありません。先般の議会で先輩議員が指摘された点も含め、堂々と議会で発表すべきと思いますが、いかがでしょうか。この機会に私たちにもぜひ、大義とともに市長としてのビジョンなりを示していただきたいと思います。 以上、市長がよく言われる「輝く21世紀に向かって飛躍する和歌山」に向けて、その大切な役割を担うリーダーとして、その指針、ビジョン、市長の政治姿勢となりをお示しいただきたいと思います。 1問目を終わります。(拍手)
    ○副議長(高垣弼君) 旅田市長。 〔市長旅田卓宗君登壇〕 ◎市長(旅田卓宗君) 20番浦議員の御質問にお答えいたします。 まず、私がかねてから国際文化都市を目指してまいりましたので、そのことについての御質問がございましたので、お答え申し上げたいと思います。 和歌山市市勢発展のためには、第2次和歌山市基本計画に掲げております諸施策はもちろん、21世紀を見据えた町づくりに取り組まなければならないと、こう考えております。 現在、本市事業として進めている施策、国等の上位計画として進められている施策、さらには民間が進めている事業を中心として積極的に推進してまいりますが、中でも、特に公共下水道とか地下駐車場の建設、大阪湾環状道路体系のかなめをなし、南近畿の交通結節点として紀淡連絡道路、第二阪和国道の早期建設促進や、最近特に注目されております海上輸送手段として開発が進められておりますテクノスーパーライナーの寄港地の誘致の問題、また広域交通体系の整備、公共・公益的な観点、財政的波及効果等、本市に多大な効果があるLNGの火力発電所の立地を含めた西防埋立地の活用、紀泉地域の良好な開発といったプロジェクト事業などを重要課題として強力に推進し、国際文化都市にふさわしい町づくりを進めてまいりたいと考えております。 次に、河西地区から青岸橋を通っての湾岸道路についての考え方はないかという御指摘がございました。私も和歌山市の町づくりの中で、かねてより、青岸橋を現在の青岸橋にとどまらせずに、青岸橋から西防を活用して、そして加太方面へという形の中で湾岸道路を形成すべきではないかという考え方も持っております。ぜひとも将来は具体化したいものだと、そのように考えております。 次に、市長としての義務を果たしてきたか、あるいは蜂起を促す大義はという、そういうふうな御質問がございましたが、要は、知事選へ転戦する動機はどうかという、そういうふうな御質問であろうかと思いますので、お答え申し上げたいと思いますが、私は、まあ以前から将来は県政を担当したいと心に誓っておりました。それはふるさと和歌山県をすばらしい和歌山県にしたいと、そのために自分の一身を捧げたいという一念から、次期知事選への出馬の決意をしたところでございますので、御理解賜りたいと思います。 次に、出馬表明は議会ですべきではないのかという御指摘でございますが、今回のダブル出馬宣言は、前回、6月定例市議会でも答弁させていただきましたが、私自身、市長選告示の前日まで悩み、苦しみ抜いた末、決断したわけでございますので、どうか御理解賜りたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(高垣弼君) 20番。 〔20番浦哲志君登壇〕(拍手) ◆20番(浦哲志君) 再質問いたします。 以前から知事に行きたかったんだというのはあなたの勝手であって、和歌山県の知事になって和歌山市をどのような方向に持っていこう、和歌山県をどのような方向に持っていこうというビジョンはほとんど示されなかったような気がします。それと、市民の大多数から選ばれた和歌山市長であると、市長としての権限では、この和歌山市は何もできないというふうにもとれるとも思います。 また、話が順番おかしくなりますけれども、国際化ということで、LNGであるとか跡地利用であるとかというふうに言われましたけれども、私、昭和49年から2年間カナダに住んでおりまして、そのときに和歌山市とリッチモンドとの姉妹都市提携で非常に御尽力をいただきましたサカモトさんという、非常に高齢の方とお話しする機会がありました。そのサカモトさんがおっしゃるのには、戦前、戦中、戦後を通じて自分は非常に言葉の弊害もあり、また排日運動の最中でもあり、歯を食いしばって向こうで頑張ってきた。それは、いつか自分の祖国日本へ、また生まれ故郷である和歌山へ帰って老後を過ごしたいというふうに思って歯を食いしばって頑張られてきたそうです。しかし、念願かなって何年か後、日本に帰り、和歌山に帰ってくると、自分が描いていた日本はなかったと。それは本人の気持ちでありますので推しはかることはできませんが、多分、ふるさとがなかったということではなかったのかというふうに思います。その方の床の間には、生け花や日本刀などが飾っておられました。日本刀などは、外国にあった捨て値のような刀を自分で私財を投じて集めてこられたそうです。 ですから、和歌山は確かにあなたが住金の跡地をLNGとして使いたい、それからいろんな広範囲な行政としてのやり方を進めていきたいというふうに言われておりますけれども、やはり先ほど私が申しましたように、また以前、先輩議員がおっしゃいましたように、和歌山の持つよさというんですか、非常に私は、海あり山あり川あり、日本一自然にも恵まれたすばらしい市だというふうに和歌山をとらまえております。その和歌山市のよさをさらにもっと伸ばしていきたいというような、いわゆる夢のあるビジョンというものをお聞きしたかったわけです。 また、私が不思議に思いますのは、市長就任以来、いや、市長就任前から現在の仮谷知事との、いわゆる県市協調のもと、これまでの市長の姿勢は、私たち議会もなぜそこまでという、まあ変な言葉を使いますけれども、従属性といいますか、へりくだったことも少なからずあったのではないかというふうに私自身は思ってきました。人と人とは信頼の上に成り立つものであるが、あれほど協調路線をしいてきた仮谷知事に「裏切られた」とまで言わしめたこの関係は、私たちにはこれまでのこと、また今回の件についても理解しにくいことであります。人間の闘争本能、向上心というものは、普遍的でかつ自然的なものであるにしても、それが人間性のすべてではなく、人間社会の中で生きていく上にも、もっと大切なものもあるんではなかろうかと思います。 先ほど私が勝手に紹介いたしました武士道という中には、「忠臣」--忠義の臣ですね、忠臣という位置づけを、おのれの良心を主君の気まぐれや酔狂、思いつきなどのいけにえにする者に対しては武士道としては評価が極めて厳しく、そのようなものは「佞臣」すなわち無節操なへつらいをもって主君の機嫌をとる者、あるいは「寵臣」すなわち奴隷のごとき追従の手段を弄して主君の意を迎えようとする者として軽蔑されてきました。 主君と意見が分かれるとき、忠臣のとるべき忠節の道は、あくまで主君の言うところが非であることを説くことである。もしそのことが入れられないときは、侍というものは自己の血をもってさえも自分の言説の誠であることを示し、その主君の英知と良心に対して最後の訴えをするのがごく普通のこととされておりました。 もちろん、知事と市長とは臣下の関係ではありません。しかし、このたびの、私の表現によれば態度豹変といいますか、市長としてのこの突然の転戦は、やはり公的な義憤、公的な因がなければならないというふうに私は思います。常々市長は、仮谷知事を尊敬しているというふうにおっしゃっておりました。尊敬の念を持ちながらも、あえて戦う。人間社会は、確かに情とか個人の念を捨てて立ち上がらなければならない厳しい世界ではありますが、大義が必要ではないでしょうか。私は、小さいころから知事に行きたかったんだという私的な欲望というんですか、そういうものは、やはり公人としては許されるべきものではないというふうに私は思います。 私、市長の自叙伝的な本を読ましていただきました。警察官になられた動機、また逆に警察官をやめられた理由、それから砂の丸の、例の駐車場の問題。いろんな話の中で、あるときには、いわゆる法とか規制に縛られて情のないことは私はできないんだというようなニュアンスのことも書いておられましたし、砂の丸の駐車場の問題にしても、文化庁との意見の相違は、いまだに自分の方が正しかったというふうに思っているというふうに述べられておりました。 また、全国最年少の市長である、日本一美しい町にしたい、そのように、何かこう自分が、自分でなければ、何かこう私心、私の欲というのが常にあなたのそばにはのぞいているような気がするんです。 それから、私、助役にも、職員を代表して市長の知事転戦についてどう思うかということをお聞きしたかったんですが、これは市長の政治姿勢を問う質問でございますので、それはまた後日、譲りたいと思います。 先ほどの答弁でも余り、私のニュアンスとは少し違うようでございますので、一方的ではありますが、市長は江藤新平、私の郷土の大先人であります佐賀県の薩長土肥、肥前の下級武士であった江藤新平の「男子すべからく巌頭に悍馬を立てるべし」という言葉を座右の銘にしておられるようですが、少し同郷の私の方から江藤新平のことを紹介させてもらいますと、少年のころから一種の狂人、元来うぬぼれの強い男で雄弁家、権力志向、「孟子」を愛読していたそうです。しかし、孟子の思想そのものについても終生疑問と反発を持ち続け、例えば「孟子は仁と云い、義という。仁義をもって国を治める事ができるという。しかし、それは妄想にすぎず、一国は法律と刑罰、つまり民に法を恐れしめる事をもって治めねば治められるものではない」というふうに考えていたそうです。 あるとき、江藤新平の父が「老いの繰り言ではあるが、なぜおまえはそのように気ぜわしく事を急ぐ」と彼の性癖を見とがめ、古歌--古い歌ですね、市長も俳句などよく好まれるようですけれども、次のように戒めたそうです。「急がずば 濡れざらましを 旅人の あとより晴るる 野路の村雨」。すると、江藤新平は「急がずば 濡れまじきものと人は云ふ 急がで濡るる ときもこそあれ」と答えたそうです。 勝海舟は、江藤新平のことを回想して「江藤は驚いた才能だよ。ぴりぴりしておって実に危ない。だもんだから大久保利通の留守中に何でもかんでも片っ端から自分でさばいてしもうたよ。それで後でも大久保と仲が割れた。そしてとうとうあんな最期に。実に気の毒だ」というふうに言っていたそうです。 彼もまた「私が」「我こそが」という、いわゆる天のお告げのような位置づけをしてきたようですが、官軍と交えて当時として最高の屈辱、さらし首という惨刑を受けその波乱に満ちた一生を終えた、一種の奇人であります。何やら私には共通点があるような気もします。江藤新平も彼なりの大義、正義論があって激烈な人生を送ったわけですが、余りにも自己中心的、うぬぼれもあったのかもしれません。 あなたの最初の市長選、第1声は「おごる平家久しからず」という言葉でありました。今、私はあなたにその言葉をそのまま贈り、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(高垣弼君) 次に、新島雄君。--7番。 〔7番新島雄君登壇〕(拍手) ◆7番(新島雄君) 議長のお許しをいただきました。一生懸命一般質問をさせていただきます。大変議場が重い空気に包まれておりますが、頭を見て明るくなるんではないか。 きょうは私が最後であります。なるべく早く終わりますので、いましばらく御辛抱いただきたい、そのように思います。 ことしの夏の高校野球では、市立の和歌山商業が27年ぶり、甲子園に出場をいたしました。ここにおられる議員の皆さんもバスを仕立てて一生懸命応援に行ったんですが、残念ながら緒戦で負けてしまいました。そのときのピッチャーでありました、あの小谷君ですが、彼、全日本のメンバーに選ばれましてアメリカ遠征に参加をしたらしいです。これはもう大変、彼にとっては大きな、大変大きな財産になったことだろうと、かように思っております。 また、選抜では智弁学園が優勝するという、ここ数年の和歌山の高校野球にとっては大変珍しいことが起きたんだろうかな。といいますのは、私も一高校球児として甲子園というものを目指しておったわけなんですが、ヘルメットのかぶり過ぎだったんでしょうか、あと一歩というところで負けてしまいました。で、少し指導者をせんかということで、させていただいたときもありました。よく皆さん方から、そうですね、2・3年ぐらい前から、ちょっと前ぐらいですかね、「何で和歌山の高校野球、甲子園で勝てんのよ」という質問を本当によくされました。私はもう指導者をやめておりましたので、大変、責任のない立場でありました。そのときいつも私は、独断と偏見で説明をさせていただきました。 その1つはですね、ちょうど甲子園で12連敗とかって言うてるころだったと思うんですがね、和歌山はスポーツ後進県であるということが一つの私の考えであったわけです。スポーツ後進県であったがゆえにですね、運動能力のすぐれた子供たちは野球を、野球をというふうに野球選手の方に流れていきました。ところがここ数年ですね、県内の施設であるとか、またいろんな情報が大変たくさん子供たちに与えられて、子供たちにとっては大変選択肢が、スポーツの選択肢がふえてきたわけです。で、野球に行ってた子供たちもサッカーに行き、バスケットに行き、また陸上をやり、柔道をやり、そのように大変分類をしてきた。それで野球選手の質が落ちたというのはなかなか言いにくいんですが、これが10年以上前の大都市の現象であると私は考えます。近年、和歌山はスポーツ先進県に近づいてきたんではないか。ですから野球が弱くなったんだというふうに説明をさせていただきました。 私いつも野球の話ばっかりで、ほかのこと余りお話をできないんですが、きょうの質問は、アマチュアスポーツに関してのハード面、またソフト面での質問をさせていただきたい、そのように思います。 じゃ、アマチュアスポーツとは何なのかということであります。私は、アマチュアスポーツの基盤となっているのは中学時代のクラブ活動ではないか、そのようにとらまえておりました。その中学校で始めたクラブ活動で、その彼らが高校へ行き、大学または社会人へ行って、能力ある人間はそこからオリンピックであるとか、今度開かれますアジア大会であるとか、そういうところに出ていったと考えます。その中学校のクラブ活動が、私には大変低迷をしているように感じられます。 クラブ活動が低迷していけば、おのずと子供たちは社会体育の方に流れていきます。今現在、和歌山市内にもたくさんの社会体育のクラブがあります。体操クラブもあるでしょうし、野球クラブもあります、サッカークラブもあります。しかし、その社会体育そのものは、十分整備がまだまだされておりません。このような状況が続いていけば、日本のアマチュアスポーツが大変大きな危機を迎えるんではないか、そのように思っておりますので、この低迷しているように思っているクラブ活動に関して、これからの展望も含めてお答えをいただきたい、かように思います。 それから、広島で行われますアジア大会には少しこう政治の部分が出てきまして、ボイコットもあるんではないか、そんな状況であります。何年か前には世界の祭典でありますオリンピックの場に政治が介入をいたしました。日本も不参加を決定をいたしまして、その折、参加するであろう選手が涙ながらに、「なぜ参加ができないんだ」と訴えていたのを今でも覚えております。私は、スポーツの場には政治は不向きであると考えておりますので、大変残念でありました。 そのアジア大会の行われます広島には、大変すばらしい施設がこのたびでき上がり、アジア各国の皆さんを受け入れようとしております。和歌山にもたくさんの体育館やプール、野球場など、施設などがあります。その施設についての質問をさせていただきます。 まず、利用者に対しては十分な施設であるかどうかということであります。大変疑問に思う点が多々あります。 まず、細かい話をさせていただきますと、体育館へ入っていきますとダンボールか画用紙のようなものにこう注意書きが書かれておって、それをガムテープでこうとめてある。そういう状況とかですね、タイルがはがれておっても、まあ支障がないんだからそのままにしておく。また、1つの体育館で2面のテニスコートがとれるんだけれども、とればその後ろがほん3メートルほどで狭いとかですね、大変このところどころに物すごく中途半端な施設であるんではないかな、そのように思うわけです。これは行政が悪いのかお金がないのか、その辺は大変難しいことだと思うんですが、ちょっとしたことに、ほんのちょっとしたことなんですね。そのことに大変目が届いていないというか、スポーツをする者から見れば大変不思議なことが多々あるような気がいたします。 あくまでも、その施設は貸す側の立場でつくられたり運営されたりするもんではないと思います。利用する立場に立った施設であって、運営されていかなくてはいかんと思いますので、今後どのように考えておられるのかをお答えをいただきたいと思います。 それから最後に、平成4年の9月からであったと思いますが、学校に週5日制が月1回取り入れられました。私は、月に1回祝日がふえたのであるというふうに単純に考える者の一人でありますので、行政がどう対応しているかなどと質問する気はさらさらありません。しかし、月1回週5日制になったということは、次に来るのは月2回の5日制であります。そして、行く行くは全土曜日が休日になるであろうと考えております。いつになるかはともかくとして、今、教育委員会としてその辺の、これからの推移がおわかりでしたらお答えを聞かせていただきたいと、そのように思います。 以上、取りとめのない話でありますが、第1問を終わらせていただきます。(拍手) 〔副議長退席、議長着席〕 ○議長(岩城茂君) 坂口教育文化部長。 〔教育文化部長坂口全彦君登壇〕 ◎教育文化部長(坂口全彦君) 7番新島議員の御質問にお答えいたします。 まず最初に、和歌山市における運動部活動の現状はどうかということでございますが、学校教育が目指す人間形成の本質から、部活動は学校教育目標を達成するための教育課程外の重要な教育活動であると認識しております。そのため、部活動を指導できる教員の確保につきまして努力いたしておるところでございます。 今後は、なお一層県に働きかけるなどして努力してまいりたいと、このように思っておるわけですが、ここ数年間の活動状況、また、部の設置数につきまして見てみますと、学校規模によってかなり違いますけれども、各学校での部数、また部員数はここ数年間余り変動が見受けられません。ただ、サッカーとバスケットボールにおきましては増加が見られ、体操とバトンダンスで減少が見られる程度でございます。 また、活動状況ですけれども、ことし県大会、近畿大会、全国大会への和歌山市からの出場者は年々こうふえてきておりまして、本年度は本市から8種目、剣道、卓球、水泳、陸上、体操、サッカー、ソフトテニス、バレーボール等が、合計で97名が全国大会に参加いたしておりまして、その中でも、特に体操の男子は、ゆか、跳馬等で優勝いたしております。 この絶対数で実技の指導できる教員の不足がまず第1の要因でございますけれども、現在、和歌山市では12種目のクラブ数で合計52名が不足しておるのが現状でございます。 次に挙げられますのは、教員の人事異動の際ですけれども、中学校においては教科等を中心に行わなければなりませんので、部活動についてはできるだけこう配慮しておるわけですけれども、学校によっては、部活動指導者の種目の偏りがどうしても生じてきているのが現状でございます。 以上でございます。 それから、施設の建設と今後の展望ですけれども、和歌山市の体育施設の中には、10年以上経過した体育施設が幾つかございます。今までは所々修繕等で対応してまいったのですが、今後は市民が快適に利用できる施設の整備、改修、建設、こういったことを考えておるわけでございます。 また、施設の運営につきましては、細かい部分にまで配慮が行き届き、利用する人の立場に立った対応に努めてまいりたいと、このように考えております。 それから、現在いろいろとこう施設面で考えておりますことですけれども、全国大会が開催できるような大規模な体育館等々も検討・研究しております。それからプールにおきましても、いろいろとこう新しい施設を取り入れた、例えば水を浄化してですね、ただ泳ぐというだけでなしにアレルギー性のいろいろそういった疾患も治るような、そういったことも含めた施設を取り入れる、そういったことも研究してございます。 今後は、議員さん御指摘のとおり、空調設備等々も考えながらですね、いろいろとそういった点で頑張ってまいりたいと、このように思っております。 それから、学校5日制についてでございますが、平成4年の9月から、公立幼稚園、小学校、中学校、高等学校において月1回、第2土曜日を休業とする学校週5日制が実施されて2年が経過しております。園児、児童・生徒や保護者に定着し、順調に経過しております。また、加太幼稚園、小学校、中学校におきましては月2回、第2・第4土曜日休業による教育課程の編成や学校運営の工夫等について調査・研究、3年目に入っておるところでございます。 保護者や地域の方々の御理解、御支援をいただくとともに、学校、園で調査・研究を深めているところですが、今後の推移につきましては、完全5日制への段階的に移行していくものと思われますが、文部省は、月2回への移行及び完全実施につきましては決めていない、月1回の実施状況や月2回の調査・研究の報告を見た上で検討する、平成4年度のような年度途中からの導入はしないと繰り返し述べております。また、月2回の調査研究校の調査期間は短過ぎるとして、平成6年度についても調査・研究の1年延長となり、全国 733校で3年目の調査・研究に当たっております。 したがって、調査結果を分析する文部省の協力者会議が開催されていない現状では、全校・園が月2回休業となる学校週5日制の実施の時期については、現在のところ未定でございます。 以上です。 ○議長(岩城茂君) 7番。 〔7番新島雄君登壇〕(拍手) ◆7番(新島雄君) 質問に大変内容がありませんでした。その分、答弁も内容がありませんでした。大変皆さんには眠い思いをさしたなと、気を取り直して再質問を行います。 これから話をさせていただく中で、企業とか経営とか経済、そんな言葉が出てきますんで、それは「行政」と置きかえてお聞きください。それから日本とかですね、そういうのが出てきましたら「和歌山」と、まあ、形容詞をつけるとすれば、「私たちの愛する和歌山」というふうに置きかえてお聞きをいただければなと、そのように思います。 「企業家精神の発揮が経済発展の原動力になる」と説いたのは経営学者のシュンペーターであります。彼は経営者を2つのタイプに分け、第1のタイプは創造的破壊を通して現状打破の経営に挑む経営者で、これを「企業家」と呼びます。第2は、一度創造された企業を単に循環的に経営していくだけの経営者で、これを「経営管理者」と呼ぶと書かれております。 現在、日本を見回しますと、どうも前者より後者の経営管理者が多くなっているように感じられます。また、企業が大きくなればなるほどこの傾向も強いのではないかと思われます。それが日本の活力をそぎ、また日本経済の劣化を加速させているように思われます。 経営管理者は、企業家と違ってリスクをとることを極端に恐れます。あすの経営をいかに刷新するかより、当面のリスクを回避することに全力を傾け、保身を最優先させることに一生懸命になるのです。活力が生まれることなどあり得ないのです。その結果、前例主義がまかり通り、尊重されるようにもなります。 キャッチアップ時代の経営者は、2つの質問ができれば社長が務まったと言われております。難問が発生すれば、過去はどのように処理したか。そしてもう一つは、同業他社--ここは類似都市と置きかえてください--はどう対処したかということです。これだけで経営が成り立っておりましたが、これだけ経済構造が激変している時代に前例主義に固執すればどうなるか、大きなチャンスをみずから放棄することになります。 前例主義の本質は、だれもリスクを負わないということであります。責任回避のためには会議を開き、承認を得る手続が重視をされます。こうなると世の中の動きに敏感に反応しなくなり、安全第一であり、野心的な提案はあれこれ理屈をつけて先送りされます。こうして企業は確実に衰退に向かってゆきます。 もともと日本の企業は、社長の権限が強く、経営をチェックすべき監査機能が弱く、社長に対して物言わぬ経営風土ができ上がっていると思います。こうなると人材が育たなくなり、上ばかり見るお上手人間がふえ、本当に会社のことを思ったり、仕事に意欲を燃やす人間はやる気をなくしていきます。当然の成り行きで会社の空気は沈滞し、時代への取り組み、変化への対応が後手後手と回っていきます。こうなると、業績の悪化は時間の問題となります。 今、時代は何を求めているか。現場を重視し、リスクを引き受け、現状打開を目指す企業家であり、そんな経営者が少なくなっているところに日本の危機があると考えます。 大変、話がとんでもない方向に行ってしまいましたので、話をもとに戻します。 答弁をいただきました。答弁の中で、クラブ活動に対して、教育課程外の重要な教育活動とおっしゃいました。どのような意義を持っているのか具体的に教えていただきたい。 また、部活動を指導できる教員の確保というふうにもお答えがありました。ということは、現在不足している。不足している人数もお答えをいただきました。じゃ、なぜ不足をするんか。それでは、指導者不足ゆえになくなったクラブはないのか。その辺のことをお教えください。 また、関連して、常々教員にも海外研修があればいいな、そんなに思っておりました。これは1週間や2週間の海外研修ではなく、できれば最低半年、本当は1年以上の長期海外研修をしていただける制度があればもっといいのになと思っておりました。そんなお考えがあるのかないのか、また、あるとしてもどういう弊害があるのか、また、どういうところでできないのか、そんなことをお教えいただけたらと思います。 施設や利用者に対する質問のお答えをいただきました。施設の改善が求められているという答弁でありましたが、具体的にどのようにその施設を改善をしていくのか。今後、もっと具体的にありましたら教えていただきたい。 また、市民に対する一層のサービスの向上、もっとわかりやすく教えていただけたらと思います。 私の、その施設に対する思いなんですが、今プールの話が出ました。循環をしてというお話でありましたが、和歌山市内にもし温水プール、室内プールをつくるとすれば、もう50メートルのプールをつくらなくては何の意味もない、そんな時代だと思います。中途半端な施設はもうたくさんだと考えます。また体育館にしても、冷暖房は最低の条件ではないか、そのようにも考えます。 また、常々不思議に思っていることなんですが、これはもう教育委員会の管轄ではないんですが、東公園に野球場があります。不思議なことに、軟式野球しかできない野球場であります。なぜそんなものをつくるの。不思議でかないません。ばかげた話です。 また、これも趣旨からは外れるんですが、けやき大通りに大変立派な駐車場ができました。大変たくさんのお金も使いました。なぜ傘を差さないでJRの和歌山駅まで行けないの。おかしなことだらけです。そのときそのときの御都合主義といいますか、つぎはぎの行政といいますか、そんなに思って仕方がありません。 きょうは教育委員会だけの御質問なんですが、教育界は、これからの和歌山を担って立つ、また日本の将来のためになる人材を育てる大変責任の重い部署であります。長期的にかつ多角的に使命感を持って取り組んでいただきたい、そのように要望いたします。 ここに新聞のコピーがあります。先日、先輩議員からいただいた資料であります。9月21日付の毎日新聞の夕刊でありますが、「内申書比重をより高く」という見出しで、公立の中学校の校長会が大阪府の公立高校入試において、より一層内申書を重視するよう申し入れたと書かれております。点数主義からふだんの学習態度、生活またはクラブ活動などに重点が置かれていく方向性を示したものだと考えます。学校週5日制も含め、文部省や県教委指導だけの教育方針ではなく、難しいかもしれませんが、和歌山らしい、和歌山の教育を全国に和歌山の地から発信できるよう、そして、より一層のレベルアップを熱望しております。 大変きついことを申し上げたと思います。私も勉強はしなく運動ばかりをしていた人間ですので、点数主義にはいささか強い疑問も抱いておる一人であります。何が人をつくるのか。これからの和歌山を担っていくすばらしい人材をつくっていただきたい、そのようなことを心からお願いを申し上げまして、再質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩城茂君) 坂口教育文化部長。 〔教育文化部長坂口全彦君登壇〕 ◎教育文化部長(坂口全彦君) 7番新島議員の再質問にお答えいたします。 まず最初に、部活動の意義でございますが、生徒一人一人の興味、関心を生かすことにより自分を輝かせ、自主性を育て、自発的な活動意欲を盛り上げ、個性の伸展を図るとともに、共通の目的による友達との温かい触れ合い、協力、助け合い等、集団活動を通しての社会性を養い、望ましい仲間意識を育てるということと、また、子供の健全育成の観点からも大きな意義を持つ教育活動であると認識いたしてございます。 次に、部活動の教員がなぜ不足しておるのかということですけれども、最近の先生方ですけれども、教育外活動でございまして、部活動を自分から進んで持ってやろうという先生方が、やはり以前よりもこう少なくなってきておるということと、もう一つは、部活動を得意とする先生ですけれども、県の採用テストになかなか合格してくれないという、こういった2点がその要因でございます。 次に、海外研修の教員派遣の件ですけれども、現在行っております教員の海外派遣につきましては、文部省の事業といたしまして行っているものでありまして、次代を担う青少年を育成する教員に、諸外国の教育、文化及び社会等の実情を視察させ、今後の我が国の教育の振興に資する目的で行っております。現在の派遣におきましては、約30日間の長期派遣と16日間の短期派遣、また英語担当教員については2カ月派遣と6カ月派遣がございます。そして派遣候補者は、原則として文部省主催あるいは市町村教育委員会が実施する教育研修を受講した者で、年齢が35歳以上55歳以下で教職経験が10年以上の者となっております。現在までに派遣した人数を申し上げますと、長期派遣は59名、これは昭和45年以降です。短期派遣は 105名、これは昭和50年以降でございます。英語教員の2カ月派遣につきましては、今のところ3名で、これは昭和54年から始まったものでございます。英語教員の6カ月派遣は2名で、これは平成元年から始まったものでございます。 市独自に最低半年か1年間という教員の長期海外派遣ができないかということでございますけれども、小・中学校の教員につきましては任命権者が県教委でございまして、半年とか1年という長期の教員の海外派遣につきましては、市単独で実施することは非常に難しいことでございまして、しかし、市立の和歌山市商業高等学校の教員を対象に実施できないか、今後研究してまいりたいと、このように思っております。 それから、次、4番目に、施設の中での具体的な改善、建設というんですか、そういったことについてですけれども、40万都市にふさわしい体育施設の建設を進めていこうと、このように思っておるわけですけれども、近代的な最新設備の整った、全国規模の大会が常時気持ちよくできるような体育施設の建設について検討しておるわけです。既存の施設につきましても、建設後かなり年数が経過しておりますので、今後は空調の設備を導入したり、観覧席を拡大したりとか、所々修繕の改修でなしに、大規模改修についても検討していかなければならないなと、このように思っております。 それから、温水プールにつきましては、配管の改修をした上で水質改善装置、これジェットバス装置というんですけれども、こんなものを設置についてですね、ただいま研究いたしておるところでございます。また、あわせて更衣室とかシャワー室等の改善を図り、利用者がさわやかで快適に汗のかける、そんな満足のできる施設の整備に努めてまいりたいと、このように思っております。 それから、市民に対するサービス等の件でございますけれども、外の施設でございましたら日陰をできるだけ多くつくるようなこととか、便所が気持ちよくできるようなこととか、また、試合等々でございますので、朝少し早くからあけてほしいとか、それから時間が半時間ほど延長する場合とか、そういったこともですね、事前に本日の試合はこのようになるかもわからんというようなお話をいただいておけばそういったことにも応じていきたいと。 それからですね、まず言葉遣いとか態度とかですね、受け付け、管理等の件で市民サービスに立った、そういったことを考えておりますので、よろしく御理解賜りたいと思います。 以上です。 ○議長(岩城茂君) お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明9月28日午前10時から会議を開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩城茂君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。  午後2時29分延会    -------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。   議長  岩城 茂   副議長 高垣 弼   議員  石谷保和   議員  柳野純夫   議員  大艸主馬...